さっそくですが「西の正倉院 みさと文学賞」って、知ってますか?
「西の正倉院 みさと文学賞」は、宮崎県美郷町が主催する地方文学賞です。
今年も11月30日を〆切に、第4回となる募集しています。(2021年7月現在)
募集対象は、美郷町の〈物語資源〉を意識したテーマの物語。
「文学賞」とついてはおりますが、エンタメあり、ミステリあり、ライトノベルあり、もちろん純文学ありの、たいへん懐の深い賞となっています。
今日の日記は、そのものズバリ「みさと文学賞へ応募する方へのアドバイス」です。
執筆中の方も、そうでない方も、応募予定の方も、いま賞の存在を知った方も、ぜひ腕を振るってご応募ください!
私はもっともっと宮崎のお話が読みたいのじゃあ~!!
まずは書いてみよう
募集要項は読まれましたか? え? まだ?
はい。確認しましたか?
ひとまず重要なのは、文字数と題材です。
私は「こういう話がウケるよ~」とか無責任なことは言いません。
そんなん知らんし、あなたの作品なんだから、あなたが好きなことを書けばよろし。
ただ、この時点で気をつけることがあるとすれば、私からは2点。
- 既定の文字数におさまるボリュームの話を選ぼう
- 「みさと文学賞」にふさわしい題材を選ぼう
どちらも書き上げた後に応募することを考えれば、当たり前のことかと思います。
逆に言えば、それだけ気にしておけば十分かと。
書きたい話を書いてください。
書き上げたら推敲しよう
はい。
じゃあ書きましたね。
書き上げた体で続けますよ。
書いた作品は、必ず推敲しましょう。
「だいじょうぶるっくり~ん」じゃない!
このサイト見てる時点で、大丈夫なわけがない
毎日毎日、書き進むごとに冒頭から推敲しているような方はともかく、だいたい誤字脱字や誤用があるものです。
パソコンやスマホを使っていても、(いや、だからこそ?)英数字の半角全角の乱れや、段落頭の一字下げ忘れ、感嘆符あとの一字あけ忘れが発生したりします。
いいですか。
応募したら、もう終わりなんですよ。
あとから気づいて、のた打ちまわるほど後悔しても、どうしようもないんです。
だから推敲は必ずしてください。
そのうえで、私からのアドバイスは2つです。
Wordで文字組みしてみよう!
そもそも「みさと文学賞」の応募は専用サイトから、Word形式のみで受け付けています。
郵送は言わずもがな、テキストファイルやPDFも不可です。
で、ですね。
せっかくですから、出版される短編集と同じ「文字数×行数」でページ設定してみてください。
「みさと文学賞」では入賞したら出版されるんです。
第1回から第3回まで、今のところ毎回同じ文字組みで統一されています。もちろん、第4回から突然変更されてもおかしくはないんですが、まあ変わらないでしょ。知らんけど。
これを試すメリットは、以下の2つ。
- 改行のミスがあぶりだせる
- 他の作品と比較して推敲しやすい
改行ミスとは、作者の意図とは違う部分で改行されてしまっているやつです。
これは執筆時、一行の末尾に文の途中にも関わらず改行を入れてしまったために起きるもので、一行当たりの文字数が変わったときに、初めて発覚します。ちょーはずかしい。
対策としては、まず執筆時に改行マークを表示しておくこと。
そして、ページ設定で文字数を変更して、変なところで改行されていないか確認することです。
また、短編集と同じ文字組みにすると、推敲もしやすくなります。
なぜかというと、普段読んでいる本の見ために近くなるから。
ぜひ目標としている作品や、好きな作家さんの作品と、自分の作品を見比べてみてください。
横に並べて見るだけで、気がつくことが色々あるはずです。
――え?
肝心の文字数と行数がわからない?
いやいや、そこは短編集買って自分で調べてよー。
……と言いたいところですが、書いときます。
44文字×34行(見開き)です。
でも、できればちゃんと買って読んでね!
一度は印刷してみよう!
はい、つぎー。
せめて1回、1回でいいから、印刷しよう!
ディスプレイと紙は、見える世界が違うんだ!
びっくりするような誤字に気づくこともあるし、その場で修正できないからこそ、全体を見通して調整することもできるんだ。
一括変換はWordですればいい。
印刷して見てほしいのは、もっと手触りというか、読み心地とか、なんかなー。
そういうこと(語彙力)
もうほんと、1回でいいから印刷して……
応募の準備をはじめよう
最後まで書き上げた。
推敲もした。
あとは応募するだけ!
……と、その前に。
応募手続きをする前の最終確認と行きましょう。
応募規定を確認しよう
まずはもう一度「みさと文学賞」の応募規定を見てみましょう。
以下の引用は一部です。ほかは公式サイトにて自分で確認してくださいね。
・募集期間:2021年6月1日~11月30日(応募は締切日の23:59まで)
応募ページ | 西の正倉院 みさと文学賞(https://mrt.jp/misatobungaku/?p=app)
・12000字以内(400字詰め原稿用紙30枚目安)縦書き。
・応募者のプロ、アマ、年齢・性別、国籍問いません。
・日本語による自作の未発表原稿のみ。
・応募フォームに必要事項を入力。(入力に不備のある場合、選考対象外となる場合があります。)
・作品は、電子ファイル(Microsoft Word)のみ受け付けます。(郵送、持ち込みでの応募は不可です。)
・一度応募した作品の差し替え、修正は受け付けません。
・応募作品数は1人あたり1作品のみとします。
・18歳未満の方は保護者の同意を得たうえでご応募ください。受賞の場合は確認させて頂く場合がございます。
重要事項は、私の方で太字にしてあります。
Webだろうが応募は早めに!
まず〆切時間を確認しましょう。
Web応募のみ受付の「みさと文学賞」は、時間厳守です。
応募原稿は万全でも、通信環境や応募フォームの入力によっては、想定していたより時間がかかってしまう場合があります。
それで審査対象外になってしまうのは、あまりにも惜しい……!
というわけで、自宅から一歩も出る必要がないWeb応募でも、時間には余裕をもって準備しましょう。
文字数はスペース込みで確認!
「みさと文学賞」は文字数の規定があります。
かっこ書きで「原稿用紙30枚目安」とありますが、これはあくまで目安であり、規定ではありません。
実際、第2回に応募した拙作『Lovely Place』も原稿用紙換算なら40枚くらいあったはず……(改行が多い作品だと、そうなるのです)
さて、この文字数ですが、Wordのフッターにある数字を信用してはなりません。
あいつは、スペースを数えていない!
わざわざ原稿用紙換算の目安が書いてあるように、規定文字数はスペースも含みます。
つまり、作文の授業で習ったように、原稿用紙では段落の最初は一マス空欄にしますが、あれもカウントするんです。
同様に、感嘆符(!)のあとの空欄もカウントします。
だからWordで文字数を確認したいときは、カウンターをダブルクリックしてください。
新しいウィンドウで、詳細が表示されます。その一項目に、スペース込みの文字数もあります。
または、最近だと便利なもので、ネット上に無料のカウンターサイトがあったりします。
これ、不思議なんですけど、サイトによって結果が違うんですよね……
なのでまあ、どこを信じるかは自分で決めてください。
あまりに不安で時間があり余ってるなら、自分で数えても、よし。
第3回までは「ファイル容量50KBまで」という規定もあった(気がする)のですが、第4回の応募要項には見当たりませんね。
ちなみに、どうしても50KB以下にできず、悩んだ挙句に日付変更ギリギリにそのまま送信したのは私です……
サーバーが受け取ってくれてよかった……
応募はひとり1回こっきり
もう本当に修正するところがない、となったら応募です。
応募は1人あたり1作品のみ。
しかも「一度応募した作品の差し替え、修正は受け付けません」ということですから、あとから致命的なミスに気がついても、もうどうしようもないということです。
もう本当の本当に大丈夫と、覚悟を決めて応募しましょう。
応募が受け付けられれば、自動返信メールが応募フォームに入力したアドレスに届きます。
お疲れさまでした!
これらは入賞した時のために
どうして私がこう、くどくどくどくどkdkd書くかというと、「みさと文学賞」の入賞作品が書籍化されるからです。
あなたの送った作品、文章が、一言一句たがわずそのまま印刷されるんです。
出版された短編集は、あなたの知らないところで、あなたの知らない人の手に渡ります。
Amazonでも買えますし、国会図書館にも納められます。
そして、あなたの知らない人が、あなたの作品を見つけます。そこに、
ミ ス が !
あっても、どうしようもありません。
だいたい応募したあとに気づいても訂正する機会はありませんし、仮に入賞してそのお知らせをいただいた時点ですでに本の形になっているかもしれません。(実際、オンライン授賞式が行われた第3回ではすでに書影が並んでました)
自分の書いた作品が本として出版されるというのは、とても誇らしいものです。
たとえ短編集という形で、最後の方にすべりこむような形でも、印税なんてもらえなくても、とてもうれしいものです。
でも、そこに頭を抱えたくなるようなミスがあったら、
自分で読み返しさえすれば気づいたようなミスがあれば、
うれしくとも、転がりまわりたくなるような気持ちになるのではないでしょうか。
だから、ちゃんと推敲しましょう。
確認しましょう。
いまの全力を振り絞って、ぜひ応募してみてください。
ひとりの読者として、新しい宮崎の話が読めるのを楽しみにしています。
私が「みさと文学賞」に応募する理由については、こちらの日記を読んでみてください。やらしい話から真面目な話まで書いてます。